いまどきのブラックスーツについて

普段のビジネススーツの他にぜひとも持っていたいスーツというのが、ブラックスーツ。冠婚葬祭に着る略礼服のブラックスーツのことです。正式な礼服というのは、燕尾服やタキシードとなりますが、日本ではブラックスーツで冠婚葬祭に参列することがほとんどといっていいでしょう。ちなみに結婚式やパーティの招待状に、ブラックタイもしくはホワイトタイ着用と、ドレスコードが書かかれていたなら、それぞれタキシード、燕尾服を意味しますので注意が必要です。ただし、日本で、そういった正式な礼服を求められることは滅多にないでしょう。そこで、急に結婚式や葬儀に参列することになっても慌てないように、ブラックスーツを用意しておくのが大人のマナーといえます。

それほど頻繁に着るスーツではないので、いざ、必要になったら友達や親戚から借りればいいと思っていたら大間違いです。ブラックスーツにも流行というのがあって、今の時代にマッチしたデザインでないと、式に参列したときに浮いてしまうということにもなりかねません。よくあるのが昔に流行った、ドスキンという光沢のある羊毛素材の生地で仕立てたブラックスーツ。テカリ感もあり、やはり昔のブラックスーツという印象をぬぐえません。

今では、トロピカルサマーウールやマットウーステッド(もしくはファインウーステッド)、薄手の平織りが好まれます。やはり素材にはお金を掛けたいところです。ひとくちに「黒」といっても、ブラックスーツを何着か見ると、さまざまな「黒」があるんだなぁと、感心することもあります。実は、ウールを黒く染めるというのは技術的になかなか難しく、ポリエステルが入った安価な素材ほどフラットで深みのない黒になってしまいがち。一方、高級な素材ほど、深みのある美しい黒に仕上がるといわれています。もちろんストレッチ素材のポリウレタンが入ったものでも美しい黒が出ている場合もありますので、例外もいくつかあります。

さらに、素材感と共に重要なのがデザイン。ゆとりのあるルーズなシルエットのものでは一昔前のブラックスーツというのが分かってしまいます。ブラックスーツも最近のスーツの流行を反映してタイトフィットなデザインが多くなっています。着丈がやや短くなって、足がスッキリと長く見えるデザインです。アームホールやパンツも細身の仕立てで、全体的にシャープな印象が基本。式への往復時に街を歩いても颯爽とした着こなしができるというわけです。

基本デザインのシングルかダブルかや、ボタンの数は、着る人の好みになりますが、ヴェストは、ブラックとグレー(もしくは、イエロー、ホワイト)など2種類あると便利です。葬儀にはブラックヴェストにし、シャツはブロードのホワイトで、タイは黒無地。シューズもソックスもブラックというのはいうまでもありません。アクセサリーは厳禁です。結婚式やパーティの場合には逆にブラック以外のヴェストを合わせ、シャツはドビークロスやプリーツ入りなど、飾りのあるものでダブルカフスにカフリンクス。蝶ネクタイやカラフルなポケットチーフなどで着飾りましょう。

ブラックスーツは、夏用とそれ以外のシーズン用の2着を用意しておくのがベスト。夏用といっても湿度の高い日本では、春の終わりから秋口まで着ることができますので重宝します。最初にどちらかのシーズン用のブラックスーツを用意し、タイミングを見計らって、もう一方のブラックスーツを揃えましょう。季節に合わせた快適な着こなしができるという意味の他に、式に対する真面目な姿勢が、他の参列者の方々に好印象を与えるはずです。たまにしか着ることのないブラックスーツだからこそ、着る人の印象を大きく決定づける重要なスーツといえそうです。

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