オーダーといってもだまされるな!

オーダーメイドスーツとは、皆さんもご存じの通り、大きく分けてフルオーダー、イージーオーダー、パターンオーダーの3種類になります。もちろん採寸箇所が多くハンドメイドの工程を伴ったフルオーダーが最もシルエットがきれいに表現され、高級オーダーメイドスーツという位置づけになるのですが、時には、フルオーダーの条件を満たしていない、全くハンドメイドの工程を持ち合わせていないイージーオーダーでも“フルオーダー”を謳っているお店があるのも事実です。これは、本当に気をつけなければならないことです。

イージーオーダーとは、機械で裁断縫製してゆくもので、あらかじめ型紙のパターンをいくつか用意しておいて、その中から着る人の体型に一番近い型紙を選び、微調整を加えてその人の体型に合わせるというもの。百貨店の紳士服売り場などでよく見かけるものですが、納期が短く、価格も安いので、簡単にスーツをオーダーしたいという人には向いているかも知れません。ところが特殊な体型の方の場合、フィット感も低いうえ、既製服よりも価格が高いので、極端なところ“オーダーした”という満足感だけなのかも知れません。

また、パターンオーダーは、さらにイージーオーダーを簡略化したもので、“オーダー”といいながらも、既製服に補正を加えて、袖丈や身丈の微調整でサイズを合わせただけのもの。既製服とほとんど変わりません。お店でスーツを買ったときの“お直し”に毛が生えたようなものです。これも短期間で仕上がり、価格も安いので一部の方に人気ですが、イージーオーダー同様に、“オーダーした”という満足感の分だけ、価格が上乗せされた既製服なのです。

しかもイージーオーダーといいながらパターンオーダーだったりすることもあり、一般の人には見極めが難しい世界です。よく、雑誌やWEBなどでもイージーオーダーやパターンオーダーをフルオーダーの入門コースとしてお勧めしているのを見かけますが、やはりフルオーダーとは別物と考えた方がよさそうです。イージーオーダーやパターンオーダーは、あくまで既製服の延長上のものなのです。

本来の正しいフルオーダーの意味は、採寸から設計図となる型紙を起こし、製作途中の段階で仮縫いでの調整が行われ、本縫いを経て完成に至ります。もちろんハンドメイドでの作業となります。採寸の個所は、上着では、上着丈、肩幅、袖丈、胸囲、ヒップとあり、パンツでは、ズボン丈、ウエスト、股上、股下、となり、大まかに9項目あります。これらの採寸をさらに細かくして、15箇所前後に細分化されるのがフルオーダーとしてのひとつの基準でしょう。当然、採寸箇所が多い程、それに比例してフィット感の高い、きれいなシルエットを持ったオーダースーツになるわけです。

インターネットの通販でも、オーダーメイドでスーツが作れるサイトがありますが、そのほとんどが、イージーオーダーというのが現実です。しかも採寸も自分自身でするという方式ですので、心配だらけです。熟練のテーラーでなければ、スーツの採寸など、できようがありません。

やはり、信頼のおけるテーラーで、キチンと採寸して、本物のオーダーメイド、すなわちフルオーダーで、満足のできるスーツを手に入れたいものです。よいテーラーの見極めは、採寸の多さもひとつの目安。パターンオーダーのような単に“儀式”となった、採寸ではなく、よりよいスーツを完成させるための熟練の採寸技術を持ったテーラーこそが本物のテーラーなのです。“オーダーといってもだまされるな!”。ぜひとも、本物を見極めましょう!

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