上着の右側、腰ポケットの上に小さめのポケットが、もうひとつあるのを見たことはありませんか？チェンジポケットというもので、クラシカルな雰囲気が人気の装飾ですが、実用的な役割もある便利なディテールです。細身スーツのブームもあってか、チェンジポケットが幅広い層で注目されています。今回は、いつもスーツのチェンジポケットには注目していた店長前田が、ウンチクや人気の秘密をお話しします。
チェンジポケットは、「change」というくらい、つり銭や小銭を入れるポケットとして使われるもので、フラップ付きが一般的ですね。ブリティッシュな雰囲気が漂う古典的なディテールで、狩猟のときの発射薬を入れていたともいわれています。猟銃に弾を込めたりするのに便利だったのでしょう。どこかエレガントで貴族的な気品は、そのためかも知れませんね。ブリティッシュといえば、チャールズ皇太子もチェンジポケットのスーツを愛用しているようで、よくTVなどで見かけます。さすがにいつもカッコよくキマっていますよね。
ときどき、お客様から「チェンジポケットのスーツでもビジネスシーンは大丈夫か？と、ご質問を受けたりしますが、「多くのお客様がチェンジポケットのスーツを着て、ビジネスシーンで活躍されています」と、お伝えしています。商談や重要な会議にも特に問題なく着ていくことができます。チェンジポケットの持つ雰囲気は、上品さを発しながら偉ぶった要素がないので、プラス効果ばかりだと思いますね。スーツに気を使う細やかな人間というイメージが、ビジネスにも積極的で、気遣いのあるという評価につながりやすいのではないでしょうか。
デートシーンでもファッショナブルな要素が効果を発揮しますので、いつもより楽しい時間を過ごせるかもしれません。さらに、チェンジポケットが、デートシーンで活躍するのは、ただ単に雰囲気だけではありません。実は、ここが、大ワザ（小ワザ？笑）ポイントです。デートシーンでは、小銭が必要なシーンというのは、よくあります。電子マネーがこれだけ普及した現代でも、小銭は必要です。自動販売機で飲み物を買ったり、買い物したときの端数の小銭だったり、高級店でのチップなどもあります。デート中の女性が「100円足りない～！」と叫んだら、すかさずチェンジポケットから差し出しましょう。あなたの評価が上がるのは間違いありません。高級店でのチップも同様です。小銭入れに指を入れ小銭を選択しているモタモタ感は、イメージダウンです。「サッ！」と、出せるかどうかが、お洒落かそうではないかの分かれ目です。額ではなく“時間”なのです。チップ文化の欧米人のスマートさを積極的に取り入れたいものですね。
そこで、チェンジポケットには、あらかじめ500円硬貨1枚と、100円硬貨を1～2枚ぐらいは入れておきましょう。でもあらゆる小銭に対応しようと全種類のコインを入れておく必要はありません。それだけでチェンジポケットが膨らんでしまい、スーツバランスを崩してしまいますから（笑）。
着こなしでは、チェンジポケットがスーツのボディに付くことによって、見る人の視点が上に行きますので、足が長く見えると、よくネットや本などに紹介されていますが、チェンジポケットのスーツを着ただけで、急に足は長くなりません（笑）。急に足は、長くなりませんが、胸ポケットやボタンの位置が高めで細身の最近のスーツには、バランスよく相性もよいですので、ぜひ信頼のおけるテーラーに相談することをお勧めします。やはりスーツは、着る人に合った全体のバランスも重要ですので、トータルに考えたいものですね。
チェンジポケットで、スーツの着こなしをグッドチェンジしましょう！
