Q:ゼニアのスーツをストライプ柄で仕立てたいと思っていますが、種類がとても多く、どの柄を選べばよいか迷ってしまいます。ゼニアのストライプ柄の種類について、また仕事の場での着こなしについても教えてください。
A:さまざまな種類があるゼニアのストライプ柄
まずは、ゼニアを代表するストライプの柄についてご説明します。
チョークストライプ
やや太めの線をチョークで引いたようなストライプで、少しかすれたように見える縞が特徴となっています。紺、黒、グレーなど濃い色をベースとした生地が多く、縞のかすれ具合がよくわかるようになっています。
画像はゼニア トラベラー春夏 NO1680-1105
ペンシルストライプ
鉛筆で線を引いたくらいの細さのストライプで、チョークストライプより若干細めの縞になっています。縞の輪郭も、チョークストライプよりはっきりしています。
画像はゼニア トラベラー春夏 NO1680-1024
ピンストライプ
細かい点線のようになっているストライプが特徴で、ペンシルストライプよりもさらに細い縞になっています。この細かな点がピンの頭のように見えることが、「ピンストライプ」と名付けられた理由です。
画像はゼニア トロフェオ春夏 NO2630-0613
オルタネイトストライプ
種類の異なる2つの縞が交互に入ったストライプ柄です。縞の色や太さが変わることで、全体の印象ががらっと変わります。
画像はゼニア クールエフェクト N166-2645
ここまで紹介したストライプ柄は、違う色の糸を組み合わせて縞模様を作り出しています。しかし、ストライプ柄の中には、同じ色の糸だけでストライプ柄を作っているものもあります。シャドーストライプは、その一例です。
シャドーストライプ
異なる撚り方の糸を使って縞の柄を織り出したものです。
原毛から取り出した繊維を撚り合わせて作る糸は、撚り方を左方向にするか右方向にするかによって、同一の方向から光を当てたとき、糸の光沢感に違いが出ます。この光沢感の差を利用したストライプ柄が、シャドーストライプです。一見無地に見える生地ですが、見る角度を変えると縞が浮き出るように見えるという特徴があります。
画像はゼニア トロフェオ春夏 NO2630-0724
このように、たくさんの種類があるゼニアのストライプ柄は、その縞の細さや色によって大きく印象が変化します。そのため、その生地が与える「印象」が、仕立てたスーツを着るTPOに合っているかどうかを考えて、ストライプの柄を選ぶことが大切です。
TPOに合わせたストライプ柄の選び方
たとえば個性的な印象を与えたい時には、縞の幅が広く、生地の色とのコントラストが強めのストライプ柄を選びます。仕事でセミナーやプレゼンなどをする方、クリエイティブ系の職種の方などは、こうしたスーツを着ることでより強い印象を与えることができます。
反対に、誠実さや落ち着きを感じさせたい場合であれば、狭い幅の縞で、生地の色とのコントラストがあまり強くないストライプ柄を選ぶといいでしょう。
多様なTPOに対応できる便利な一着が欲しいという方は、シャドーストライプをお試しになってみてはいかがでしょうか。光の加減や見る時の角度などによって縞が目立たなくなったり浮き出て見えたりと、その時々で表情がいろいろに変わるおしゃれなストライプ柄です。シャドーストライプは無地にも見える柄なので、ビジネスの場はもちろん、改まった席(弔問時を除く)にも対応できる万能スーツを仕立てることもできます。
またゼニアには、生地の織り方を変えることでストライプ柄を作り出しているレーベルがあります。「エレクタ」は、その代表的なものです。
生地の織り方には「綾織り」や「平織り」などいくつかの種類がありますが、エレクタに採用されているのは「混合織り」という織り方です。生地の光沢感やツヤ感は、織り方の違いで微妙に変わります。このツヤ感や織り目の違いによって、ストライプの柄が作られるのです。
「混合織り」は、異なる織り方を組み合わせて織ることから、型崩れを起こしやすく生地の安定性が低いとされています。そのため洋服の生地に使われることは多くはないのですが、エレクタの場合は安定性に富んだ丈夫な糸で織られているので、混合織りでも型崩れしにくい生地になっています。(エレクタの詳細はこちら)
ビジネススーツをストライプ柄の生地で仕立てたいという場合は、どんな印象を与えるスーツをイメージしているか、テーラーにお伝えいただければ、ご希望に叶う生地をスムーズに選んでいただくことができます。どんなご相談でも、ぜひお気軽にお寄せください。
ストライプ柄をバンチブックで選ぶ際に注意したいこと
最後にひとつ、ストライプ柄の生地を選ぶコツについてお教えします。それは、生地の見本帳(バンチブック)を見ただけで生地を決めない、ということです。バンチブックで見る生地と、実際にスーツに仕立てた時の生地とでは、かなり印象が異なります。この図は、印象の違いを簡単に示したものです。
右のストライプも左のストライプも同じ幅なのですが、一見、四角の面積の大きいストライプのほうが縞の幅が狭いように感じられます。同様に、バンチブックで見る生地と、実際にスーツに仕立てた時の生地とでは、縞の幅の印象が実際とは違って見えるのです。
ストライプの幅のほか、光沢感についても、バンチブックではやや暗めの印象、スーツに仕立てたものはやや明るめの印象を与えます(バンチブックの詳細はこちら)。
どんな生地でも、実際に体に当ててみて、スーツに仕立てた印象を思い描いてから選んでいただくようおすすめしていますが、特にストライプのスーツの場合は注意が必要です。
ゼニアスーツおすすめ情報
ゼニア素材研究所
ゼニアスーツに関する超マニアックな情報を掲載してみました。他社では全く言及していない事・視点で分析してあり、いわばゼニア社以上にゼニアスーツの事を掘り下げた内容にしております。




























