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ゼニアスーツの生地をバンチブックで選ぶのはNG?

Q:ゼニアスーツをオーダーしたいのですが、バンチブックで生地を選ぼうとすると目移りしてしまいます。バンチブックで生地を選ぶときの注意点について教えてください。

A:バンチブックでは分からないことがある

まずご理解いただきたいのは「バンチブックだけではゼニア生地の全体像はわからない」ということです。
バンチブックは、ゼニアの生地を一定の大きさに裁断しまとめた見本帳です。確かに、生地の色や手触り、柄、光沢感などはこれである程度わかります。
しかし、生地というのは面白いもので、裁断された大きさのものと、実際にスーツに仕立てて着た時の印象がまったく違うことになることも多いのです。

ストライプ柄イメージストライプ柄を例に説明しましょう。
この図のストライプは、右も左も縞の間隔は同じです。しかし、見える大きさが変わると、なんとなく、左の小さい四角のほうが、幅の間隔が広いように見えませんか?
これを、右側がバンチブック、左側が実際の生地と思ってください。そう考えると、小さな断片だけで柄を判断し、決めることに対して注意が必要だな、ということがわかるのではないでしょうか。
上記は一例ですが、このように、柄物には、「見える面積の大きさによって、柄の印象が変わる」ということがあります。


体型と柄の関係

体型と柄の関係なお、この見える面積による印象の変化は、なにもバンチブックと実際の生地だけの間に起こるわけではありません。
着る人の体型によっても、見える面積はかわります。ということは、左のような肩幅や胸幅が狭く華奢な人と、右のように肩幅や胸幅ががっしりある恰幅のいい人とでは、同じストライプを着ても印象が違ってきます。左の方がストライプの間隔が広く、右の方が狭く感じられるのではないでしょうか。
このように、柄物の生地は、バンチブックを見て選んだときと仕立て上がったスーツを着たときとでは、印象が変わってしまうことがあるのです。


柄物ほどではありませんが、無地の生地もまた、バンチブックと実際の生地とでは印象が変わります。無地なのに?と思われるかもしれませんが、バンチブックだけで生地を選んでスーツを仕立てると、出来上がってきたスーツの色が「明るく」見えることが多いのです。
ゼニアのような、細い糸を強く撚って織り上げた生地は、全体的に光沢感が生まれます。この光沢感の正体は、繊維の表面に当たった光の反射です。
面積が大きくなると、反射する光の量も増えます。反射する光の量が多いと、光沢が増して、明るい色に見えます。ですから、十数センチ四方の大きさのバンチブックの生地より、仕立て上がりのスーツのほうが、全体的に「明るく」見えるのです。

このように、バンチブックだけでは、生地の全体像が掴みきれないという欠点があるのです。
バンチブックには、多くの種類のゼニアの生地をざっと見ることができるという長所があります。しかし、最終的には、実際の大きさの生地を見て、体に当てるなどして、ゼニアスーツに仕立てたときの印象がどうなるかを確認してからオーダーすることをおすすめします。

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