ゼニア・ダンヒルのスーツが85,000円でオーダーメイドで創れる。ゼニア・ダンヒルのオーダースーツ専門店銀座SAKAEYA

Q:インターネットを見ていると、ゼニアの名称がついた値段の安いスーツが売られていることがあります。このスーツは本物のゼニアでしょうか?
「ゼニアスーツ」には、既製品とオーダーメイドのものがありますが、ここでは既製品についてお話します。
一般に「ゼニアスーツ」と呼ばれるスーツの中にも、大きく分けて3つのタイプがあります。
まず挙げられるのは、ゼニアの直営店で扱っている「既製品のゼニアスーツ」。これはまさに正真正銘のゼニアスーツと言えます。「既製品のゼニアスーツ」は直営店のみの販売です。
次に挙げられるのは、「ゼニアの生地が使われている、有名ブランドの既製品」。これは、ポール・スミスなどのブランド店が、ゼニアの生地を使って、自社のラインで作ったスーツです。ゼニアが作ったスーツではありませんが、その多くが高品質のスーツです。
最後は、インターネット上などで見かける、「『ゼニア』の名称がついた格安のスーツ」です。こうしたスーツは、正規ルート以外から独自に仕入れたゼニアの並行輸入品の生地と、どこかのメーカーが持つ、ゼニア社とは無縁の型紙を使った既製品です。上記の「既製品のゼニアスーツ」「ゼニアの生地が使われている、有名ブランド店の既製品」のどちらにも該当しません。
もちろん、ゼニアの生地は、並行輸入品であっても正規ルートと同じものなので、生地の品質が劣るわけではありません。しかしそれらのスーツにに使われている型紙は、日本人の一般的な体型をもとにしたJIS規格のサイズに合わせて作られているため、ゼニア社のものとはシルエットがまるで異なります。あくまでも「ゼニアの生地で作った」だけのものであって、「ゼニアスーツ」とは別物であると認識しておきたいものです。
中には、ゼニアのラベルが付けられたスーツがサイズ直しのために持ち込まれ、ほどいてみたらゼニアの生地ではないことがわかった、という非常に悪質な例もあります。どこぞのメーカーが、ゼニアの生地以外で作ったスーツにゼニアのラベルだけを縫い付けていたのでしょう。このケースは極端ですが、このようなスーツが過去に販売されていたことも事実です。
本物のゼニアの生地を使ったスーツであっても、ネット上で見かける安いゼニアスーツは、ごく普通のスタイルのものです。製造元が不明のスーツは、縫製などの技術に関しても保証されていないことを認識しておく方がよいでしょう。
ゼニアスーツを購入する際には、「求める品質」を明確にした上で、価格に捉われることなく選ぶことが大切です。
もし、「普通の既製品スーツでも、ゼニアの生地で作られていればOK」であれば、安いスーツでも問題ないかもしれません。
しかし、「ゼニアの生地で作られた、ゼニアスーツ独自の品質を楽しみたい、ゼニアならではのシルエットを手に入れたい」ということであれば、ゼニア独自のトリノラインやミラノラインなどのシルエットのスーツを、ゼニア直営店でご購入されることをおすすめします。
